難しい舵取りが求められるASEAN議長にシンガポールが就任

月曜日 , 19, 2月 2018 Leave a comment

シンガポールが2018年のASEAN議長に就任したことを受け、リー・シェンロン首相は、「回復と革新」をテーマに取り組むことを発表しました。
世界の政治的な見通しはこの1年で大きく変動しましたが、世界が正しい方向に向かって歩むためには、この地域に回復と革新をもたらす必要があり、全ての加盟国が協力する必要があります。
米国のトランプ大統領の就任と英国のブレクジットは、国際関係が一国主義に向かう流れを引き起こしました。米国はシンガポールなど複数のASEAN加盟国が参加する環太平洋パートナーシップ協定(TPP)から脱退し、地域経済の流れを根本から覆しました。
ASEANが多国間協調主義を推し進める東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に関与していなければ、トランプ大統領の影響はさらにひどかったかもしれません。
私たちは、他国との経済的連携に依存するシンガポールが、議長としてASEAN全体の利益をもたらすために貢献できるのかを見極めたいと思います。
RCEPには経済大国である中国、日本、インドも参加しています。
シンガポールの権力者の多くは、シンガポールがASEANの議長としての重責を担う十分な力が持っていると考えています。前ASEAN事務局長のオン・ケン・ヨン氏は、過去シンガポールが議長を務めた際の功績として1992年のASEAN自由貿易地域の発足と2007年に採択されたASEAN経済共同体計画を挙げました。
マレーシアやタイなどのASEANの主要メンバーはRCEP加盟国間の経済統合を強化すべきと考えていますが、グループ内の格差もあることから、まとめ上げることは容易ではないと言われています。その交渉は遅れており、RCEP憲章は18章のうち2章だけしか採択されていません。
シンガポール、マレーシア、ベトナムはTPPの減速に失望しましたが、今年はRCEPが大幅に進捗することに期待しています。この取り組みを実現するためには、全てのASEANメンバーの回復と改革が必要となります。
一方、議長としてのシンガポールを見極める上で重要なのは、ASEANにとって深刻な課題である政治と安全保障に関連する懸念です。
2007年に議長をした際は、ミャンマーでは「サフラン革命」が起こり、プレアヴィヒア寺院ではカンボジアとタイが衝突しました。加盟国間の関係の悪化にともない、シンガポールは緊急の会議を招集し、ASEANの関係性について真剣に議論をしました。その後、ミャンマー政府は革命を鎮圧し、タイとカンボジアは問題の取り扱いを国際司法裁判所に委ねました。
今年ミャンマーで起こっているロヒンギャ問題はさらに厳しい状況ですが、シンガポール政府はASEANとしてミャンマー内政に干渉すべきではないと主張しています。一方で、近隣諸国による人道支援が可能であれば、それは推進すべきとの姿勢です。
昨年はフィリピンがASEAN議長を務めていましたが、ロヒンギャ問題への対応に関するあらゆる関与を避けました。さらには、ミャンマーの要求により、「ロヒンギャ」という言葉を使用しないことに同意したのです。
リー・シェンロン首相は、ロヒンギャに関するASEANの対応については言及しませんでした。しかし、同首相が中心となって、地域として人道的援助に加えて、道徳的、倫理的観点から何をすべきかについて合意が得られれば、この問題に適切に対処できるものと考えます。

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